おとうさんとさんぽ

 

 
  
 
 今年の6月15日は、何の日か分かりますか? そうです、父の日です。皆さんちゃんと覚えていたでしょうか。母の日に比べて忘れられがちな父の日ですが、子どもはお父さんへの感謝を、お父さんは自分を父親にしてくれた家族へ感謝する日にしてほしいと思います。
 さて、この絵本は少年とお父さんが森へお散歩に出かけるお話。2人は散歩中、さまざまな動物たちと出会います。
 森の入り口まで歩いてくると大きなイヌが出てきて、「とおせんぼ! とおっちゃだめ!」と大きな声で言います。少年は怖くてお父さんの後ろに隠れ、ズボンにつかまります。お父さんは「ちんちん!」と言ってイヌをなだめます。
 りんとしていてカッコイイお父さんですが、森の奥で登場するクマとのやり取りには困り顔。そんなピンチを少年が救います。父と子の良さがしっかりと描かれているので、ぜひお父さんに読んでほしい1冊です。
 皆さんは父の日のプレゼントは決めましたか。プレゼントは物だけではありません。たまには親子でゆっくり散歩に出かけるのはどうでしょうか。外を気持ち良く歩いたら、普段はなかなか触れない話題に花が咲くかもしれませんよ。

 

林一輝(NPO法人ファザーリング・ジャパン東北)

(令和7年6月7日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 にしかわ おさむ・作・絵
出版社 教育画劇